ジキル博士とハイド氏

原題: The strange case of Dr. Jekyll and Mr. Hyde

ロバート・ルイス・スティーヴンソン · 1894

既存の翻訳(人の手による訳) · 訳 佐々木直次郎 (†1943) · 出典: 青空文庫 Aozora Bunko · パブリックドメイン

ふるさと遠く離れていても、おお、あれもまたあなたとわたしのためだ。 弁護士のアッタスン氏は、いかつい顔をした男で、微笑なぞ決して浮かべたことがなかった。話をする時は冷ややかで、口数も少なく、話下手だった。感情はあまり外に出さなかった。やせていて、背が高く、そっけなくて、陰気だが、それでいて何となく人好きのするところがあった。気らくな会合などでは、とくに口に合った酒が出たりすると、何かしらとても優しいものが彼の眼から輝いた。実際、それは彼の話の中には決して出て来ないものであった。が、食後の顔の無言のシンボルであるその眼にあらわれ、また、ふだんの行いの中には、もっとたびたび、もっとは…冒頭 · 佐々木直次郎

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